カテゴリー: コラム

シンポジウムのご案内

今年度、虹色のたねでは、子どもへの性暴力を根絶するために、研修事業を実施しております。

LUSH ジャパン様の助成金を使用して、神奈川県、長野県、奈良県、岡山県での研修、動画配信を行っております。

今、国においても子どもへの性暴力根絶への取り組みとして、子どものための性暴力予防プログラム「生命(いのち)の安全教育」への取り組みが進められています。

当団体も、文部科学省のモデル事業として、令和3年度と4年度、千葉市教育委員会様において、小学校、中学校、高等学校、養護学校、特別支援学校の児童・生徒及び教職員の皆様に「生命(いのち)の安全教育」を実施しました。

その経験から言えることは、教職員、保護者、子どもを取り巻くすべてのおとなが「子どもへの性暴力」について、学ぶ必要があるということでした。

子どもへの研修実績が豊富な、池畑博美
傷ついた子どものケアと性教育に取り組む、山口修平氏
日本では珍しい加害者臨床の第1人者、斉藤章佳氏

この3人でタッグを組んで、本事業を展開しております。

今年度、本事業の集大成として企画した、このイベントに、ぜひ皆様のご参加をお待ち申し上げております。

無力感の伝染

2019年5月29日に起きた凄惨な事件。
突然の襲撃によって、亡くなられた方に衷心より哀悼の意を表します。

保護者が付き添っていても、スクールバスで送り迎えしても、守れないのか?防げないのか?

このことをきっかけに、社会に不安が広がっています。
誰しも、いつ、自分が、家族が、巻き込まれる可能性を思うでしょう。

加害者の情報はなぜか詳細が控えられているため、詳しいプロフィールはわかりません。
憶測は広がっています。
すでに、動機などの解明も難しい状況があります。

この狂気は、何が生み出したものなのでしょう?
ありえない光景が、繰り広げられる中で、同じような狂気は日常のすぐそばにあるようで、とても他人事とは思えない感覚を、皆が感じているように思います。

無力感に包まれる中、それでも諦めずに、暴力を生み出さない社会を創るには。

虹色のたねは、人権、非暴力の視点を諦めません。
人のもともと持つ力を信じ続けます。

熊谷晋一郎さんの言われている言葉を思い出しました。

自立は、依存先を増やすこと
希望は、絶望を分かち合うこと

【法改正によって虐待はなくなるか?】

先日、児童虐待防止法、児童福祉法、関連法案が可決され、来年四月施行が決まった。

幼い命が失われる事案が続いたことを受けたものだが、その抑止力はどこまで期待できるのだろうか?

未だに民法に監護者の懲罰権がある国というのも仰天だが、そもそもこの国は体罰容認派が七割にも及ぶと言われている。

体罰はしつけではない。

体罰がしつけになっていると誤認してしまう原因は
痛み、恐怖でその行動が止まるから。

しかし、なぜ殴られたのかはわからない。
要するに、しつけをするのであれば、良くない行動がなぜ良くないのか、してほしい行動はなんなのかを伝えなければならない。

体罰はしつけではない。

子どもに伝わることは
痛み、恐怖だけではなく
人を暴力によって思い通りにできること
暴力は学ぶものだから

繰り返される暴力で命を落とすのはいうまでもないが、多くの子どもたちはその壮絶な家庭の中で、生き抜いておとなになっている。

自分の受けた虐待について、信頼できる人との出会いの中で語ることができたら、暴力による支配をする人にらはならないだろう。
アメリカでの追跡調査では、虐待を受けて育った人の三分の二は、暴力を振るわない人生を選んでいるからだ。

法が改正されることは一定の効果をもたらすかもしれない。
しかし、被虐待児の真摯な訴えや救いを求める目に敏感なおとながもっと必要なのではないかと思う。

https://digital.asahi.com/…/art…/photo/AS20190618001696.html

【対等なパートナーシップ】

DVにおいて、加害側には相手を対等とみないことがそもそもの要因となります。

今日のTwitterのタイムラインでこんな内容のものがありました。

入籍前は、お互いを下の名前に「さん」付けで呼び合っていた。
入籍の日から「お前」と呼ぶようになった。
元のように「さん」付けで呼んでほしいと伝えると、鼻で笑いながら上下関係わかってんのかよ?
と言われた。
その後、モラハラで裁判離婚に至ったそうです。

夫婦、パートナーシップにおいて、一方が他方を支配するために取る手段の一つが、この呼び名のエピソードに現れているということでしょう。

加害側は力を持った存在として、相手を支配して良い特権を持っているとの価値観を持っています。
明確なルールの下、相手を自分に従わせようとします。

単なる喧嘩とは全く違う構造です。
明らかな身体的な暴力がなくても、DVになります。

男性から女性へのDVが多いのは事実ですが、女性から男性、同性愛の関係においても起こります。

支配の強化によって、学習性無力感に陥り、自分からその環境から離れることができなくなり、時折気まぐれに見せる優しさに絡め取られていくのです。

DVについては、力と支配について捉えやすいものですが、虐待やイジメ他のハラスメントなどでも同じ構造があります。

虹色のたねの暴力をなくす活動の中で、基本としている考え方の一つです。
DVのご相談も承っておりますので、お氣軽にお問い合わせくださいませ。

【自己肯定感】

自己肯定感をなかなか持ちにくい、それは「あなたの存在が大切」と、言われたことがないから
そんな風に嘆く人によく出会います。
他者評価に基準を置いていると、いつも誰かとの比較で自分を評価することになります。
きっとそれでは永遠に本当の自己肯定感を持つことはできないかもしれません。

自分のありのままを受け入れることは難しいものです。
自分を定義づけるもの自体が、他者からの評価基準だらけだからです。

自己肯定感を考える上で、先日とても意義深い学びをいたしました。

先日のとあるセミナーで講師の方が
幸せな経営をするための秘訣を三つあげました。

ポジティブであること
感謝すること
他人と比べないこと

また、その話の中でうさぎとカメの例を挙げたのです。
うさぎとカメの童話は、皆さんも一度は聞いたことがあると思います。
自信過剰と油断大敵による失敗を表現したものですが、別の見方を教えていただきました。

うさぎとカメが争ったゴールへの道筋
見ていたものが違うというものです。
うさぎが見ていたものはカメ(他者)の動向
カメが見ていたものはゴール(自分の目標)

そして私は、カメはずっと自分を心から信じていたのだなと思いました。
多くの人は、うさぎにカメが勝てるわけがないと見守っている中でも、自分だけは自分を信じていた。
だから勝利を手にすることができたのだと。

他人と比べないでいられることは、自己肯定感が高いこととつながっています。
そして目標を見誤らない。
徒らに、上だ下だとランキングに勤しんでいる暇があったら行動することだとの教えにも聞こえました。
会社経営のセミナーでしたが、とても示唆の深い学びとなりました。

一人ひとりの個人が目指す人生の目標
企業が成し遂げたい事業
非営利セクターが変えたい社会のありよう
それを実現するためには「〇〇のために〇〇をする」という決意が必要です。

それを支える継続のエネルギーこそが自己肯定感にある。
だから毎日1日の終わりに、自分で自分を褒めてください。
今日もよくやった
一歩進んだ
明日も顔晴る
まずは自分を認めることから始めませんか?

【一番の効用】

今日は、5月5日「こどもの日」です。

こどもの日に寄せて、本日のコラムをお届けしたいと思います。

昔から、なんでもナンバー1でないとダメだと言われていますが、何故だと思われますか?
以前、一度政権を取った政党の事業仕分けの際に、スーパーコンピューターの予算に対し、「1番じゃないとダメなのですか?2番じゃダメなのですか?」と言った議員がいましたが…。

社会にアピールするためには、1番、金メダルではないと、人の記憶に残りません。
ゴールドメダリストは憶えていても、シルバー・ブロンズメダリストは記憶に残っている人は少ないかと思っています。

ある日、銀行に住所変更の届と通帳の再発行を依頼してきました。
その前の日も、違う銀行に同じことを依頼しましたが、その時は午後2時30分頃銀行に入り、銀行を出たのが4時10分前くらいで、1時間20分位かかりましたが、その日は銀行が始まると同時に入り、出たのが9時25分と所要時間たったの25分でした。
その差、凡そ1時間の違いです。
これは、一番に銀行に入り、手続きも一番にしてもらえてからです。
手続きが終わって帰るときには、もう5~6人待っていました。
大げさな言い方をすれば、一番で手続きしてもらうのと、もう終了まじかに手続きするのでは、1日24時間の1時間、人生の時間のロスしてしまったことになります。

このように、時間のロスを防ぐには、人よりも早く行こうという努力をしただけで、自由に使える時間が1時間増えます。

ゴールドメダリストは、ほかの競技者よりも多くの練習をこなし、基礎トレーニングを積み重ね、努力をした結果一番になれたと思います。

努力と言えば、先日ゴルフのマスターズで、優勝を果たしたタイガー・ウッズも、大きな努力をしたのではないでしょうか?
21歳3ヶ月でマスターズ最年少優勝を果たしたタイガー・ウッズは絶対的な強さを誇ったが、その後女性問題からの離婚をし、その後の逮捕では精悍な容貌が別人のように変わった写真が報道され、勿論ゴルフの優勝からは遠く離れ、一時ランキング1,000位以下まで落ち込むも、今回の見事な復活を果たしました。
栄光からの挫折そして見事な復活と、多くの感動と勇気を与えたと思います。

多分、一般の人なら、挫折した後は諦めてしまう人が多いのではないでしょうか。

特定非営利活動法人虹色のたねでは、個別相談事業を通じて、法人・個人を問わず栄光、挫折、復活と言う、人生の大きな波の中での各ステージに合わせたご支援を行ってまいります。

お気軽に、是非ご相談ください。

【働き方改革の時代だからこそ】

この四月一日に施行された、働き方改革関連法。
運用の仕方によっては不利益を被る人がいることから、議論になりました。

では、その時に批判した人は、選挙で投票したのでしょうか?
この法律がいい、悪いを問う前に、国民の権利行使をしたのでしょうか?

高度経済成長を成し遂げ、年功序列、生涯一社で勤め上げる、そういう古い概念は無くなりました。

今の若者の一部は、転職は当たり前、それこそが自分の価値。
起業を目指す人は、学生のうちから取り組んでいます。
いわゆるサラリーマンで終わることに価値を見出していません。

一方、保守的な考えのもとに置かれた人は、今こそ「公務員」が目指すべきものと捉えているように感じます。
インターンシップに来た学生が、
就職希望はどんなことか問うた時
「公務員です」
公務員になって何がしたいですか?と、問うと
「事務です」

わかりますか?
一時期言われていた
「親方日の丸」国は破産も倒産もない。
本当にそうでしょうか?

せっかく高度な教育を受けて、夢がなさすぎませんか?
ありたいように、起業する。
そこにNPOの選択肢もあると思います。

以前に、時給制で職員を雇用した時に、一つのことにこだわりすぎて、PCの画面を2時間眺めていて、入力が進まない人がいました。
困っていても、全く質問もしない、ヘルプも求めずにいるのです。
今、有能な事務員は新世代。
最初の指示だけで、自分で解決しながら作業を進めることに専念します。
わからないこと、できないことは、遠慮なく質問します。

この二人が同じ時給だったら、どちらを採用しますか?
あるいはどちらを解雇しますか?

残業時間で給与の手取りを増やすことは、本当に必要か考える必要があると思います。

プロフェッショナル制度も、起業した時には見方が変わるはずです。

虹色のたねでは、働き方改革はNPO起業のチャンスを増やすためのものと捉えています。

【時代の変化の予感】

昨日から新しい元号「令和」となりました。。

世の中は、新元号ブームでお祭り騒ぎですが、新元号がスタートする1ヶ月前に、私たちの生活に影響がある法令として、働き方改革関連法、改正入管法等の新しい法律も施行されています。

改正入管法は、外国人労働者の受け入れ拡大。
働き方改革関連法案は、8つの労働法改正案で、主な内容は「時間外労働の上限規制」「有給休暇取得の義務化」「同一労働同一賃金制の推進」「勤務間インターバル制度」「高度プロフェショナル制度」「産業医・産業保健機能の強化」です。

特に時間外労働の上限規制は、違反企業や労務担当者に懲役または罰金刑と重い刑事罰が課せられています。
中小企業経営者にとっては、今までの労務管理を見直さざるを得ない状況にあるのではないでしょうか。

主に、日本人の労働を規制して、外国人を増やして働かせるという構図のように見えますが、果たしてどうなんでしょうか?

労働者からすると、時間外労働が減ると実質の収入減になります。
また、有給休暇取得義務化により、有給休暇の買上げがなくなり、やはり収入減になります。

大企業はそれで良いかもしれませんが、中小企業で時間外労働が抑えられ、人手不足の対応で慣れない労働者を採用することにより、生産性が落ち、企業の競争力が削がれてしまうのではないでしょうか?

以前、働き方改革関連法案で、余裕の出来たサラリーマンのNPO法人設立支援と申しましたが、収入面のアップを図る支援策も必要かもしれませんね。

たとえ、NPO法人でも収益事業を行えば、税金がかかってまいります。
よくご相談に来られる方の中には、NPO法人は税金がかからないから設立したいという方がいらっしゃいますが、一般企業と同じように収益事業には当たり前のように税金がかかります。

今度の元号は、穏やかで優雅なイメージの万葉集からの引用と言われていますが、時代は人口減少、緊張の度合いが高まっている国際情勢、AI等の電子頭脳による社会変革と、万葉の世界からはかけ離れた状況にあります。

私ども特定非営利活動法人虹色のたねの設立支援では、ご相談者の意向を汲んで最適な設立組織のご提案を行ってまいります。

是非、「令和」の時代に最適な組織運営のご相談をお待ちしております。

【ビジネスの仁義】

皆さんはネットワークビジネスについて、どう思われるでしょうか?
ネットワークビジネス自体は、商品やサービスの販売方法の一つであるし、顧客と顔の見える関係が構築できて、アフターフォローも手厚くできるため、一概に「悪い」わけではありません。

ただ印象が悪い、というイメージを持たれる方が多いのも事実です。

それはなぜか?

ルールを守らないビジネスをする人が多いからです。
ネットワークビジネスをする場合、顧客との面談の約束をする時点で、そのビジネスの話でアポイントをとらなければいけません。
お茶や食事に誘い、実はその話だった、は違法です。
閉鎖的空間での勧誘も禁止ですから、その人の自宅や事務所等、公衆の人が出入りしない場所となるので違法です。

断りづらい雰囲氣を出す。
契約するまでしつこく勧誘する。
一度断った相手に再アプローチする。
も、全て違法です。

ここまで法的にも違法とされているのに、その方法を繰り返す人が後を絶たず、人脈を崩壊させたり、信用を失墜させることにもなるので、ネットワークビジネスの人は倦厭されるのだと思います。

そもそも論ですが、素晴らしい商品を売り込むのに、詐欺的手法は要らないはずです。
というか、ご本人はどう思っているのでしょう?
これは、詐欺的に勧誘しなければ売れないと思っているのか
いい品物だから売れるに違いない、それによってのアウトカムが見えているのか。

ネットワークビジネスと聞いただけで排除する人の心理は、法規制がされた部分での違和感でしょう。
だから法規制までに至ったとも言えます。

ビジネスにも仁義があってしかるべきです。
虹色のたねの方針の中では、当法人の会員にアプローチをするネットワークビジネスの方は、基本的にお断りしています。
ただ、それを隠して会員になって、このコミュニティーを利用して、ネットワークビジネスをしようとする方もいます。

いい、悪いではなく、人の信用を踏みにじるような行為は、許さない立場を貫いておりますので、事務局の方で把握できないことがありましたら、直接池畑か田邉にお申し越しくださいませ。

【愛着形成】

生まれてきた赤ちゃんは、誰に教わったわけでもないのに、自分の快と不快を伝えるすべを持っています。
「泣く」という行為で。

泣く→お腹が空いた、おしめが濡れた、暑い、痛い
などなど、不快を表現して、その不快を取り除くよう、周りのおとなに知らせます。

それに対して、ミルクを飲ませる、おむつを替える、温度調節をする、などなど
不快な状態を快にすべく世話をします。

このやり取りを通じて、人は信頼を得ていき、この世界は自分が存在していることを受け入れていると信頼していくことになります。

では、適切な養育がされなかったらどうなるかといえば
コミュニケーションがなんの意味も持たないもの
人は信頼に値しないもの
この世界は自分の存在を認めていない
という認識になるでしょう。

長い間、虐待の環境にあると、生まれながらには、何の問題もなかった脳の発達を妨げ、ひどい虐待で脳が変形するとも言われています。

愛着障害は、まさにその子どもの周りにいたおとなの責任なのです。
もちろんそのおとなは、実親である必要はありません。
ただ施設養育などの場合でも、頻繁に交代しないほうがいいとされています。

人との距離感がわからない、コミュニケーションが苦手なことの根本原因に、そういったことがあるのかもしれません。

今の子どもたちは
と言う前に、まずはおとなの子どもたちへのまなざしを見直す方が先のような氣がします。

子どもが混雑した電車内でむずがった時に、
チッと舌打ちするおとなに出会うか
いないいないばあをするおとなに出会うか
人への信頼ポイントが変わります。

すべては日々の積み重ねで、成り立ってゆくものです。

虹色のたねでは、虐待の問題にも積極的に取り組んでいます。