月別: 2019年7月

寄付文化の醸成

非営利セクターで活動をしていく上で、寄付による資金調達は必須である。

日本の寄付市場は、どんな推移をしてきたかというと、個人寄付は2010年まで約5000億円で推移してきたものが、東日本大震災のあった2011年には一兆円を超え!その後は約7000億円で推移している。
法人寄付はほぼ横ばいで7000億円前後。

一方、アメリカの寄付活動について、昨日の日経新聞でこんな記事が紹介されていた。
(以下一部引用)

日本経済新聞 2019年6月24日

米国人の慈善・寄付活動が拡大している。米調査機関ギビングUSAインスティテュートによると、2018年の寄付総額は4277億ドル(約46兆円)と前年比0.7%増加し、4年連続で過去最高を記録した。米国はもともと寄付活動が盛んだが、近年では格差拡大で富裕層への風当たりが強まっていることも影響しているようだ。
(一部引用はここまで)

これはGDP比で比較すると、日本が0.14%なのに対し(2016年)アメリカは1.44%(2016年)
2018年はGDP比で2%に達するとみられているそうだ。

アメリカン・ドリームというように、莫大な富を築く人が多いからでしょうか?

昨年、一昨年と、ドネーションパーティーを行なった経験の中で、そこに来られていた某アメリカ有名企業の役員の方が言われた言葉が印象に残っています。

僕たちは成功者と言って良いだろう。
ビジネスで成功した。
成功したということは、そのことに責任を取る必要もある
共感する活動には、寄付という形で参加する義務があると思っている。

アメリカでビジネスを成功させた富豪の中に、ビル・ゲイツ氏がいることはご存知の方も多いだろう。

彼と彼の妻の名前を冠した、財団があるのをご存知の方はどうだろうか?
「全ての命の価値は等しい」という信念のもと、1994年から活動をしている。

日本との関連で特筆すべきは、パキスタンにおけるポリオの根絶に一定の成果が出た時に、パキスタンの円借款を肩代わりするという画期的な事業も展開している。
ポリオの薬をただ配るだけではなく、効果を確実にする(投与が確実にされる)ために、とても有効に作用している

富を得たものが、社会的責任として「寄付」という形でその富を分配する。
社会の仕組みとして成り立たせることは、決して無理なことではないはずだ。

虹色のたねでは、認定ファンドレイザーの専門知識にて、非営利セクターさまからの寄付システムの構築だけでなく、寄付先の選定、寄付税制の仕組み、より効果的な具体的方法など、支援者さまからのご相談も承っております。

NPOに起きがちなこと

長年NPOを運営してきた経験から、企業と NPOとの違いや、NPO独特の問題点について、質問や相談を受けることがあります。

また、NPOについてのセミナーのテーマになることもあります。

社会貢献をしている姿からは、あまり暗部が明らかにされることがなく、臭いものには蓋をする風潮もあります。
それでは全く問題解決にならず、団体の設立や運営も難しくなってしまいます。

NPOあるあるでよく言われていること三つをあげてみました。

【NPO価格】
同じ内容のサービスであっても、極端に安い価格提示をされたり「非営利」なのだから無料との誤解が後を絶ちません。

あるNPOで、研修事業を提供しているのですが、日程も決まり、当日の詳細打ち合わせに入るところで
「今回はすみません、こんなことまで無料でしていただけるなんて」
と言われたそうです。

最低金額と交通費実費がかかることを了承済みとの申し送りがあったにもかかわらず「NPOだからただに決まっている」との思い込みがあったとのことです。

【やる氣の搾取】
NPOには、ボランティアの存在が欠かせません。
有償の場合と無償の場合があります。
特に無償の場合や、交通費程度の支払いしかしていない場合、そのボランティア作業などにつき、理事や運営側からの感謝の氣持ちや労いがなくなる時に起こります。

【助成金貧乏】
お金が入ってくるのに「貧乏」って?と思われるでしょう。
助成金事業は、新規事業を求められることが多く、なおかつ人件費、事務所家賃などの固定費には使えないことがほとんどです。

新規事業の従事者、助成金申請から報告書作成者に人件費を払えないか、他の収入を増やさない限り、支払えません。

また、助成金を獲得することが目的化して、必要のない資料の作成や調査、効果が見込めないプログラム開発などの申請内容になっていき、助成金自体が死に金になるケースをいくつも見てきました。

創業間もない場合を除き、長年活動しているにもかかわらず、全体の収入に占める助成金の割合が半分を超えているNPOは、このケースに陥っている場合があります。

代表的な三つのケースについてあげましたが、組織内部にいる人たちは、全く氣づいていないか、知らないふりをしているかのどちらかです。

外部からの組織診断、組織基盤強化によって、テコ入れができる可能性もあります。
虹色のたねでは、認定ファンドレイザーによる、組織、事業、収入バランスに着目したNPO支援を行っています。

おとなに性教育が必要な理由

今年度、虹色のたねではLUSHチャリティポットさまからの助成を受け、性教育のセミナー実施をしています。

今、子ども向けの性教育の必要性に注目が集まっているところですが、その前におとな自身も学ぶ必要があります。

自分の性に向き合い、正しい知識を持ち、性についてポジティブな思考を手に入れていなければ、子どもに対しても、禁止や制限、罰則によって縛り、排除する方向でしか向き合えないからです。

例を挙げると、中学生や小学生の年齢で妊娠する場合もあります。
正しい知識がないと、妊娠に氣づかないこともあります。
当然対処が遅れ、出産に至ることになります。

相談できないのはなぜか。
きっと怒られる。

性をタブー視して、ただ禁止や制限をするだけでは子どもたちを守ることができません。

性の知識をあらかじめ知っていれば、予期しない妊娠は避けることができます。
その知識を学ぶ場がなく、間違った情報にさらされているとしたら。
これはおとなの責任です。

20歳になるまでは妊娠なんてしない。
おとなになるためにみんなしていること。
すぐにシャワーで流せば大丈夫。

こんな言葉を信じて、妊娠に至った子どもたちに、出会ってきました。
避妊の知識があれば、妊娠のメカニズムを知っていれば、避けることができます。
自分が本当に望んではいないことだとしたら、大好きな人にでもNOと言ってもいいこと。
NOと言わないからと言って、同意していることにはならないこと。

おとな自身がまず学び、子どもたちのロールモデルとなる。
そんな内容の性教育セミナーを実施しています。

助成金枠での実施枠が残り少なくなってまいりました。
ぜひお早目にお問い合わせくださいませ。

無力感の伝染

2019年5月29日に起きた凄惨な事件。
突然の襲撃によって、亡くなられた方に衷心より哀悼の意を表します。

保護者が付き添っていても、スクールバスで送り迎えしても、守れないのか?防げないのか?

このことをきっかけに、社会に不安が広がっています。
誰しも、いつ、自分が、家族が、巻き込まれる可能性を思うでしょう。

加害者の情報はなぜか詳細が控えられているため、詳しいプロフィールはわかりません。
憶測は広がっています。
すでに、動機などの解明も難しい状況があります。

この狂気は、何が生み出したものなのでしょう?
ありえない光景が、繰り広げられる中で、同じような狂気は日常のすぐそばにあるようで、とても他人事とは思えない感覚を、皆が感じているように思います。

無力感に包まれる中、それでも諦めずに、暴力を生み出さない社会を創るには。

虹色のたねは、人権、非暴力の視点を諦めません。
人のもともと持つ力を信じ続けます。

熊谷晋一郎さんの言われている言葉を思い出しました。

自立は、依存先を増やすこと
希望は、絶望を分かち合うこと