カテゴリー: コラム

【性教育の大切さ】

東京新聞2019年2月27日報道より
<論戦 都議会>中学校「性教育」 各校の授業支援 教育長表明

都議会定例会は二十六日、代表質問が行われた。中学校での性教育について、都教育委員会の中井敬三教育長は各学校での実施を支援すると表明。

これは、池畑も参加している、性教育に関する勉強会を取りまとめてくださっている、一般社団法人”人間と性”教育研究協議会幹事でもある、水野哲夫先生からの情報です。

この協議会では、季刊セクシュアリティという冊子を発行しており、随分前から定期購読をしています。
性に関するスペシャリストの方の執筆、対談などが掲載されています。

勉強会では、昨年東京都で起きた性教育バッシングについて、丁寧な取材や検討、都への申し入れの経緯などを共有してきました。

性交同意年齢が13歳と、先進国の中でも低い日本。
これは刑法の強制性交罪に、13歳未満では、同意があっても罪とする規定から解釈されています。
淫交禁止条例では18歳未満を罰することとし、民法では、婚姻可能年齢を、親権者の同意があれば女性は16歳、男性は18歳で可能とするなど根拠法令の中で最低年齢が13歳であるからとの解釈から来ています。

予防の観点からは、小学校のうちにするべきだと思いますし、早ければ早いほど素直に普通の受け止めになるのです。
ギリギリ中学校での取り組みをやめない方針になりそうなのは、まずは良かったと思います。

中学生のうちに、予期しない妊娠をして出産をしたり、中絶手術を受けている子どもたちが、性教育と対等なパートナーシップについて学んでいれば、避けられたことかもしれません。

今後は、更に今まで実践してきたことを活かし、性教育の大切さと、非暴力の対等なパートナーシップについて、虹色のたねの研修事業として積極的に取り組んでまいります。

【痴漢は依存症という考え方】

先日、あるセミナーに参加し
「男が痴漢になる理由」の著者である、斉藤章佳先生のお話を伺ってきました。

痴漢は性暴力です。
よく
痴漢くらい大したことじゃない
痴漢なんて氣のせい
ちょっとお尻を触られたくらいで

などという声が聞こえてきます。

痴漢の触り方は、偶然ではありません。
意図して狙いをつけて巧妙にターゲットを狙っています。

斉藤先生は、約2000人の痴漢加害者の更生プログラムを実施してきた、ある意味「痴漢の専門家」です。

先生によると
加害者は累犯が非常に多い
ビギナーズラックからはまり込む
逮捕によって更生するケースも多い
捕まるまではやめたくてもやめられない

加害者の特徴は
見た目はいたって普通
四年制大学卒
サラリーマン
妻子あり

狙われやすい人は
小学生から高齢者まで
露出の少ない服装
なかでも制服の中高生
黒髪、メイクもしない、おとなしそうな見た目

あらゆる性暴力と共通点が多いこと
性暴力は性欲ではなく支配欲求だから
発覚しないように抵抗しなさそうな人を狙う
繰り返す可能性の高さから、依存症としての見方は、納得できると思いました。

また、示談金目当ての冤罪が、あたかもたくさんあるかのように言われていることは、まったく根拠がないそうです。
ゼロではないけれど、社会問題とすべきは、痴漢の根絶であって、それによって冤罪を恐れる人も要らぬ心配をする必要がなくなるわけです。

斉藤先生とは、虹色のたねイベントにご登壇いただくお約束をさせていただきましたので、決定次第こちらでもお知らせいたします。

【性について考えるための三つの側面】

性暴力をなくすための活動の一環として、性に関する正しい知識を広めることに取り組んでいます。
この「正しい」というバイアスにかかると、何か押し込めた、印象になってしまうと思うことがあります。

いわゆる「正しい」性教育の中で語られていること
命の授業とも言われ、何億分の一の奇跡から命が誕生した。
みんなは奇跡の存在、祝福されて生まれてきた。
というものです。

池畑が違和感を持つのは
それを聞いて、傷つく人もいるということです。
虐待され、いじめにあい、パートナーに殴られている人は
自分なんて生まれて来なければよかった、と思っている可能性もあります。

その一言で、救われた思いになる人もいるけれども、最悪の感情に揺り動かされる人もいるのです。
実際に、子どもの虐待死は、0日死亡(生まれたその日に殺害される)が一番多いのです。

精神論ではない性教育が必要だというのが、虹色のたねのスタンスです。

まず一つ目は
生殖のための性を知るための科学的な知識
体の構造、変化、子孫を残すために知っておくべき大切なこと。

二つ目は
性暴力について
自分が被害にあわないために、相手を傷つけないために
同意のあり方、断り方、人権の視点から

三つ目は
コミュニケーション、快楽としての性
動物の中で、生殖以外の目的で性生活を営むのは人間だけだからです。
突き詰めると、性はコミュニケーション。

コミュニケーションを苦手とする人が増えています。
最近の調査で、18歳から39歳の人の25%が未経験。しかしその未経験者の8割に結婚願望があるという矛盾。
これは、由々しいことだと考えています。

虹色のたねの一つのメニューとして、皆様に提供してまいります。

記事中の調査結果はこちら
https://m.huffingtonpost.jp/…/japan-30-virgin_jp_5cabffa4e4…

【票ハラスメント】

先日、区議会議員の候補者の選挙演説を聴いていましたら、その女性の区議会議員候補者が、票を入れてやるから、チークダンスを踊れと言われた言って叫んでいました。
一票と引き換えにセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントを行うことを、票ハラと言います。
その女性候補者は、票を入れて欲しいなら、言うことを聞けと言われていると、訴えていました。

そこを通りかかった男性が「誰がお前なんかとチークダンスなんか踊るかよ!」と捨て台詞を吐いていました。
これも、セクシュアルハラスメントです。

性暴力の被害を受ける人は、大人しく抵抗しなさそうな人がターゲットになりやすい。
票というものと引き換えに、性的自己決定権を奪われるという例です。

性暴力は、性欲ではない。
支配欲求なのです。
投票権という力で、いうことを聞かせようとしたり、蔑む発言をしたり。

男性であるかどうかということが問題なのではなく、人権意識の低さが問題なのです。

一票の価値を自分の欲求の発露とするより、有効な権利行使として欲しいものです。

特定非営利活動法人虹色のたねでは、性暴力被害を防ぐ為の活動、そしてハラスメント被害の撲滅を、図る活動をしています。

ご自分が被害に遭っている、会社内での被害も、お気軽にご相談ください。

【性教育後進国のツケ】

日本は、高度経済成長期に経済力を持ちました。
バブルが弾け、リーマンショックの余波を受け、今は経済的発展でもかつての勢いは、中国にその座を渡してしまいました。

比較し、競争をすることがいいことだとは思いませんが、あえて今日は他者との比較によって、気づくこともあるのではないかとの趣旨です。

日本は性教育に関して、大変な後進国と言えます。
一つの例を挙げてお話しします。

2017年に110年ぶりに刑法が改正され、施行されていることをご存知ですか?
その改正点の大きなものが、性犯罪についての規定であることはいかがでしょうか?

旧来の刑法では、強姦罪という規定がありました。
現在は強制性交等罪となっています。

名称の変更だけではありません。
被害の客体が、女性だけではなくなりました。
「等」がついたことで、行為の範囲がぐっと広がりました。
ただ女性同士の性暴力の場合は、強制わいせつでしか扱えない問題は残っています。

また、13歳、同意、暴行脅迫要件が残っていることが最大の問題です。
13歳以上であれば、明確な拒否がなければ同意があったとみなされ、暴行や脅迫がなければ、同意のある性行為とされるのです。

皆さんは13歳で完璧に性についての正しい知識はありましたか?
断り方を習いましたか?
もっと大切な、同意の取り方を学びましたか?

今の日本の性教育は、何十年も前とほとんど変わらず、一方ネットでは間違った情報ばかりが流れています。
フィルターをかけてあるから大丈夫、そんな親御さんに出会うことが多い

ですが、小学生たちがスマホを駆使して間違った情報にアクセスし、仲間内で共有している事実を知らないのだと思います。

13歳以下で妊娠し、出産する。
妊娠しても氣づかず、出産後殺害する。
性感染症、特にHIV感染者数は、先進国で増えているのは日本だけ。

これは、個人の問題や責任ではなく、国として性教育を「寝た子を起こす」理論で封じ込めたツケとしか言えません。

早期に行う丁寧な性教育は、性の逸脱行動を抑制し、自己肯定感が高まることをご存知でしょうか?

虹色のたねでは、性暴力の被害をなくすため、予防教育と支援活動に尽力してまいります。

セクシュアルハラスメントの動向

先日、池畑は衆議院議員会館で行われた、セクシュアルハラスメントについての集会に参加してまいりました。

メディア関連の取材現場で起きた事案をきっかけに、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の調査によると、女性と性別回答した人の74%が何らかのセクシュアルハラスメントを受けていたと回答したとの報告から始まりました。
そしてその被害を受けた人の74%が「相談しなかった、できなかった」と回答したとのことです。

ここで、注意して欲しいのは、セクハラは、男性も受けます。もちろんSOGIの方も。男性、SOGIの方の場合、相談しにくい、自分にハラスメントを受けた認識が低い場合もあって、数字として多くないだけの可能性もあります。

どこぞの国のトップのメンバーの一人である男性は「セクハラ罪はない」という発言をしたことは有名です。
確かに「セクハラ罪」はなく、国際労働機関(ILO)の調査、80カ国中のうち、日本はハラスメントに関して「規制がない国」であり、その中でも最下位から二番目だそうです。
皮肉な話ですが、今ある企業に課せられている、男女雇用機会均等法などだけでは対応不可能であることが明確になりました。

集会で共有された事案のいくつかをご紹介します。

マスコミ関係でのセクハラ事例として、神奈川新聞社では、上司から部下の女性社員に対するセクハラを公表し、今は紙面を割いて性暴力に関する掘り下げた特集を連載しています。
まさに個人間の出来事と矮小化しないで、向き合う姿勢は、素晴らしいと思いました。

介護現場、接客業などでは、職務であるサービス自体が、セクハラを受けやすいこと。
教育邪宗の現場での、パワハラと、ジェンダー差別が相まって、セクハラをセクハラと認識すらされていないこと。

統一地方選挙前半戦が終わったところですが、議員や議員候補者に対するものは厄介で、政策に対する意見かもしれないので無視ができないという報告がされました。
票ハラというそうです。

労働法で保護されない、就活生の被害は深刻で、大手ゼネコンで起きた例で明るみになったように、多くはOB訪問時に起きることが多いとのことでした。

具体例についても多く共有され、セカンドレイプによって精神的に追い詰められるケースも後を絶たないと感じました。

虹色のたねの五月のイベントでは、性的自己決定権にフォーカスした形で、ご参加の皆さんと、自分ごととして考える場を設けます。
是非ご参加をご検討頂けましたら幸いです。

https://www.facebook.com/events/556011758243659?sfns=mo

虹色のたねの掲げる永遠のテーマ

【性暴力はなくせるのか?】

虹色のたねの掲げる永遠のテーマだと思います。
不可能だという人も多いのではないでしょうか?

最近の裁判で、由々しい傾向が指摘されているのを、皆さんはご存知でしょうか?

司法の場で出された判断は果たして、それが正解なのか?
もちろんその場には、加害者と被害者しかいませんでした。
真実はその二人しか知らないのです。

ただ、被害者が13歳以上だった場合、当事者の同意があれば罪には問われません。
その「同意」について議論がされています。

刑法が改正されたとはいえ、構成要件の中に「暴行脅迫」が残っています。
これは、着衣が破れるほどの、とか、身体にあざや傷を負うほどの抵抗、怒声による抑圧や、殺すぞというほどの脅迫を指します。

性暴力の加害者は、ほとんどの場合そんなことをしません。
騒がれない相手を選びます。
痛めつけなくても、いうことを聞く状況に持っていきます。
被害者は凍りついて動けない。声も出せない、殺されたくない一心で、あるいは、信じられない思いから現実が飲み込めないうちに行為が終わっています。

今回無罪になった例。
中学二年生といえば13歳もしくは14歳の女性が、実父からレイプされ続け、19歳で告発した例でした。

裁判の中では、同意がなかったとはいえない、抵抗できたはず、また、親子の間であっても真の同意がなかったとは言いがたいという理由です。

性暴力被害対策後進国とはいえ、ひどすぎる認識です。
なかには、娘は受け入れていたかもしれないという意見を言う人もいます。
父親を訴えた時点で、受け入れていないという意思表示はされています。
ではなぜそんなことが続いたのか?
それは性教育がきちんとされていないからです。

この例とは別に、実父の子どもを何回も妊娠して、堕胎したり、出産に至ったというケースもあるのをご存知でしょうか?
池畑は、高校生の女子生徒から、中学生になってから、毎日実父にレイプされ続けたことを告白されたことがあります。
今でもその時の彼女の顔が浮かびますし、声が耳元に残っています。

裁判に至るという勇氣ある行動で事実が明るみになりました。
この女性が、実父と司法に、二度裏切られていることに憤りを禁じ得ません。

性暴力の被害者たちが精神を病んで、回復の困難さに直面していることを、皆さんにも考えていただきたい。
たとえ、事の真相は当事者のみが知る事、ではあったとしても、許されることではないことを虹色のたねのスタンスとしては表明いたします。

第二回定時総会

正会員および賛助会員の皆様

いつもありがとうございます。

特定非営利活動法人 虹色のたねは、おかげさまで二期目の決算を終わり、第二回通常総会を下記の通り開催することとなりました。

正会員の皆様におかれましては、ご出席をいただきますようお願い申し上げます。
賛助会員の皆様も、ぜひオブザーバーとしてご出席をいただければ幸いです。

議案等は追って、五月のゴールデンウイーク明けにお送りいたします。

日時:2019年5月19日(日) 11:00〜12:00
終了後、希望者のみでランチを予定しております。

場所:横浜市開港記念会館 9号室
みなとみらい線 日本大通り 徒歩1分

2019年度会費のご納入はこちらから
https://npo-nijiiro.secure.force.com

上記サイトから、新規ご入会も受け付けております。

また、この日の午後からは、イベントを開催いたします。
一般公開のイベントですが、会員の皆様は無料でご参加いただけますので、こちらもぜひご参加下さいませ。

https://www.facebook.com/events/556011758243659/?ti=ia

煌めくこと

虹色のたねが大切にしていること

【煌めくこと】

自分らしくありたい
とはいうものの

そもそも「自分」が一番受け入れられないって思うことはありませんか?

うまくいかなかったり
壁にぶつかったり

そんな時に自分を責めることもあるでしょう

うまくいかない原因を自分の中に探す
誰しも経験のあること
それは、さらなる成長のためにも大切なことになるかもしれません

ありたいように生きる
どんな色を、どんな風に、煌めかせて生きるか
一緒に考えましょう

いつ、どこで、どのくらい
そんなことも見つけたいですね。

【あたりまえではなくありがとう】

虹色のたねが大切にしていること

【あたりまえではなくありがとう】

当たり前の反対語は「有難う」

一つの事柄を、当たり前と思うか
有り難いと思うか
もちろん人それぞれだと思います。

池畑が体験した、つい先日の出来事です。

ビジネスホテルの朝食バイキング
混雑する時間になると、並んでいた色とりどりのおかずや、主食であるご飯まで
あっという間になくなります。

イライラしたお客様が声を荒らげます。

なんでないんだ!
バイキングなのに並んでなきゃダメじゃないか!
混みそうな時間くらいわかるだろう!

スタッフは、大きな声で
鮭の塩焼きお待たせいたしました!
サラダのドレッシングお持ちしました!
お待たせして申し訳ありません!

と、対応に大わらわ

行列を作るお客様に、ぶつからないよう声をかけながら食材を並べます。

バイキングなんだから常にたくさん並んでいるのが
あたりまえ?

それとも、明るい声で氣を遣いながら、食材を運び、並べてくれて
ありがとう?

どんなシーンであっても
ありがとうの思いと
心を込めて
ありがとうと声に出すことで
「あたりまえ」を「ありがとう」にできるのだと思います。