長年NPOを運営してきた経験から、企業と NPOとの違いや、NPO独特の問題点について、質問や相談を受けることがあります。
また、NPOについてのセミナーのテーマになることもあります。
社会貢献をしている姿からは、あまり暗部が明らかにされることがなく、臭いものには蓋をする風潮もあります。
それでは全く問題解決にならず、団体の設立や運営も難しくなってしまいます。
NPOあるあるでよく言われていること三つをあげてみました。
【NPO価格】
同じ内容のサービスであっても、極端に安い価格提示をされたり「非営利」なのだから無料との誤解が後を絶ちません。
あるNPOで、研修事業を提供しているのですが、日程も決まり、当日の詳細打ち合わせに入るところで
「今回はすみません、こんなことまで無料でしていただけるなんて」
と言われたそうです。
最低金額と交通費実費がかかることを了承済みとの申し送りがあったにもかかわらず「NPOだからただに決まっている」との思い込みがあったとのことです。
【やる氣の搾取】
NPOには、ボランティアの存在が欠かせません。
有償の場合と無償の場合があります。
特に無償の場合や、交通費程度の支払いしかしていない場合、そのボランティア作業などにつき、理事や運営側からの感謝の氣持ちや労いがなくなる時に起こります。
【助成金貧乏】
お金が入ってくるのに「貧乏」って?と思われるでしょう。
助成金事業は、新規事業を求められることが多く、なおかつ人件費、事務所家賃などの固定費には使えないことがほとんどです。
新規事業の従事者、助成金申請から報告書作成者に人件費を払えないか、他の収入を増やさない限り、支払えません。
また、助成金を獲得することが目的化して、必要のない資料の作成や調査、効果が見込めないプログラム開発などの申請内容になっていき、助成金自体が死に金になるケースをいくつも見てきました。
創業間もない場合を除き、長年活動しているにもかかわらず、全体の収入に占める助成金の割合が半分を超えているNPOは、このケースに陥っている場合があります。
代表的な三つのケースについてあげましたが、組織内部にいる人たちは、全く氣づいていないか、知らないふりをしているかのどちらかです。
外部からの組織診断、組織基盤強化によって、テコ入れができる可能性もあります。
虹色のたねでは、認定ファンドレイザーによる、組織、事業、収入バランスに着目したNPO支援を行っています。